映画『夜明け』舞台あいさつレポート

（2019/01/22更新）

1/18(金)、旭を中心に撮影された、映画『夜明け』の公開初日舞台あいさつがサンモールシネマ・シアター１場内にて開催されました！

登壇者は、監督の広瀬奈々子さん、主演の柳楽優弥さん、共演者のYOUNG DAISさんと鈴木常吉さん。

一番大きなシアター１番のチケットが完売になる盛況ぶりでした。

客席には劇中の「涌井木工所」の撮影場所をご提供された、常世田さんもいらっしゃいました。

───────────────────────

登壇者の方々のインタビュー内容をご紹介いたします。

◆柳楽優弥さん

▽撮影時のエピソード
この土地で撮影させていただきありがとうございました。
偶然なんですけど（※）、撮影時期にサンモールシネマに『パディントン２』をスタッフたち15人ぐらいで観に来て、僕にとっても大切な映画館だと思っている場所。そこでこれだけのお客さんに観ていただけたのは嬉しいです。
是枝裕和監督の『誰も知らない』（2004）という作品で映画デビューし、映画祭に参加できたりと素晴らしい機会がいっぱいあった。是枝監督は“生みの監督”という認識がある中で、そのお弟子さんの初監督作に選んでいただけたのはとっても光栄なこと。
ここで撮影した思い出や、自分の中で感じたものは、これからの俳優生活でもしっかりと忘れずに意識していきたいなと思っています。
［※撮影時期は2018年1月。その時点では『夜明け』のサンモールシネマでの上映は未定でした］

▽見所・メッセージ
僕はまだ28歳なんであまりわからないことだらけなんですけど、たとえば会社に就職するとか人生の節々で大変だなって思う時期って、けっこうあるのかなって…僕はあったんで…。人生のそういうタイミングの、とある２ヶ月間を切り取った映画だと思うんで、ストーリー始がまったところから終わるまで、しっかり観ていただくなかで、なにか寄り添える作品になっているという自信はある。シンイチみたいに一人だけで考えすぎないでいただきたいな、っていうパワーを感じてもらえたらありがたいですね。

───────────────────────

◆YOUNG DAISさん

▽撮影時のエピソード
常吉さんと柳楽くんと現場で顔を合わせる時間が多かったんですけど、フィルムに収まってない部分でも、ああいった関係であったりした部分というのは、映画の中にも確実に投影されていて、それができたのは合宿しながらこの街でずっと撮ってたということが絶対にあると思う。
印象に残ってるのは、すぐそこ（ホテルサンモール）に泊まっていて、すぐそこに“旭東洋食堂”という食堂があって、そこのメニューを全部制覇しようと思っていたんですけど、撮影期間が３週間もあるんでね…、でも、結局“モツ煮定食”しか食わずに終わったっていう、それぐらい僕にとっては美味しい食事で。生活も食もともにこの街にどっぷり浸かることができたなぁってのはものすごく印象的でしたね。

▽見所・メッセージ
観てもらったあとでどういう思いになるかっていう、その思いを大切にしていただけるように日々毎日撮影をがんばったつもりでいるので。庄司っていうのは薄っぺらい感じ見えて、熱いところもあると思うんで、言葉にしなかった部分の庄司も見ていただいたらと思う。木工所の作業員としてちょっとは練習してるところが、ちょっとは写ってますんで、木工所の作業員として生きたというところも見ていただきたい。

───────────────────────

◆鈴木常吉さん

▽撮影時のエピソード
小林薫さんに従業員役の三人（柳楽優弥・YOUNG DAIS・鈴木常吉）が何度か食事をご馳走してもらったんですけど、小林さんはタバコやめたばっかりで、自分たちが吸うのはちょっと気まずいかなぁって我慢してたんですけど…食べ終わって小林薫さんと別れると、ホテルの横の灰皿のあるところで３人でタバコ吸ってるんですけど、それがなんか本当に映画の延長っていうか、映画の中にいるみたいで、従業員として喋ってる感じで、すごく印象に残ってて良い思い出です。
小林薫さんに、すぐそこのお好み焼き屋さん（※）に連れてってもらったんですけど、緊張してるせいかぜんぜん食べないで焼酎ばっかり飲んでたら酔っ払っちゃって、「常吉さんは何言ってるのかちっともわからない」って怒られまして…（笑）
［※おそらくサンモール駐車場となりの“轟”さん］

▽見所・メッセージ
自分でもいい映画だなぁと思えるものをみなさんに観ていただけるというのはとっても幸せです。
いろんな映画があると思うんでうすけど、『夜明け』は、観終わった後もまだなんか残っちゃったり、それを考えることでまた違うことがはじまったり、そんな映画になってると思います。観て面白かったなと感じた方がいたら、お友達に宣伝してください。

───────────────────────

◆監督・広瀬奈々子さん

▽撮影時のエピソード
旭市で初日を迎えることができてとても幸せに思っています。
ここで1ヶ月間生活したので、おいしいご飯食べて、すぐそこのモスバーガーとかで脚本直したりして、ずっとここにいたんで、今ノスタルジックな気分に浸っています。
旭市や匝瑳市の方にたくさんご協力していただいて、エキストラに来ていただいたりとか、寒い中炊き出しをして美味しいご飯を作ってもらったりとか、本当にたくさんのご協力をいただきまして、人の温かさの中で撮影することができてとても嬉しく思っています。本当に幸せに思っています。

▽ロケ地に旭を選んだ理由について
脚本を書いた段階で、川と山と海が必要だったんで、それが全部揃っている場所ということで、千葉県になった。数日間かけて千葉県内をたくさんまわって、街の規模的にもちょうどこの旭市がぴったりきた。千葉は土地が広いんで、遠いイメージだった。起伏の多い街に育ったんで、広々とした場所に立つとけっこう漠然と不安になったりするんですけど、不安と同時に郷愁みたいなものが蘇ってきたりして、自分を見つめ直すのにとてもぴったりの街だった。自然の美しさ、街並みのよさがこの映画の中に写っていると思う。

▽見所・メッセージ
シンイチと同じ世代であったり、同じように悩んでいる世代にぜひ観てもらいたいなと思いますし、その親世代もまた違った見方ができると思うんで、それぞれにきっと、シンパシーを感じるところ、ヒリヒリするところがあると思います。（観終わって）家に帰ったら自分と逆の立場のキャラクターのこともぜひ考えてもらいたい。そうやって違うキャラクターを見ることで自分自身も知らなかった、気づかなかった一面もこの映画を通して見えてくると思いますし、その相手の立場っていうのも見えてくる映画になっているかと思います。

───────────────────────

＊旭市・明智市長からの花束贈呈も行われました